中沢歯科TOPICSシリーズ1 |
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口腔機能向上という言葉をご存知ですか?
寝たきり状態は予防できる!!
お口を健康に保つことはわれわれの体や精神の健康を守ります。
老化はお口から始まります。若返りもお口から!!
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最近口腔ケアと並んで口腔機能向上という言葉が使われるようになりました。介護の現場では両者が混同して使用され、機能的な口腔ケアを口腔機能向上であると誤解されている場面もあるようです。
寝たきりになったお年寄りに手厚い介護、なかでも口腔ケアを行うことは重要なことです。現在は一歩進んで現在元気に暮らしているお年寄りが寝たきり状態に陥らないように、つまり寝たきりを予防することが重要視されるようになってまいりました。最近の研究では特にお口の機能を衰えないようにすること、お口の老化を防ぐこと(つまり「口腔機能向上」です)が寝たきりを予防する上で必要不可欠と考えられております。一昨年改訂された厚労省の介護保険に対する指針もこれを裏付けるものです。
どうしてお口の老化を防ぐことが大事なのかお口の機能ごとに解説してみましょう。お口(口腔)の機能は大きく分けて次の3つに分類されます。この3つの機能が衰えることがお口の老化なのです。お口の老化は3つのトラブルにつながります。
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お口の3つの機能とは
咀嚼機能:食物を噛み砕いて飲み込みやすい大きさにします。
嚥下機能:食物を飲み込み胃へと送り込みます。
唾液分泌機能:消化を助け食物を飲み込みやすくするための水分を補給します。
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お口をめぐる3つのトラブルとは
これらお口の3つの機能が衰えることで3つのトラブルが発生します。
@ 固いものが食べにくくなった
Aお茶や汁物でむせることがある
B口の渇きが気になる |
札幌歯科医師会 健口チェックリストより |
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そしてお口の中の汚れ、つまり膨大な数の細菌のかたまりがこれらのトラブルをさら加速させてしまうのです。
このことを図にまとめてみますと下のようになります。
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@(半年前に比べて)固いものが食べにくくなった
口腔内の廃用、つまり咀嚼機能の衰えの可能性があります |
歯がぐらぐらになった、歯茎が腫れて噛むと痛い、歯が抜けてしまった、あるいは入れ歯が合わない、入れ歯が割れてしまった。このような状態を放置しておくと食品を十分に噛み砕くことができなくなり消化が妨げられます。
また歯の噛み合わせがないと嚥下もうまくいきません。ためしに上下の歯を噛みあわさないで唾を飲んでみてください。難しいことがおわかりになるでしょう。さらにふんばりが効かないため転倒しやすくなります。 |
右の表をご覧ください。
ご自身の歯の数が多いほどいろいろなものを食べることができ、少ないと軟らかいもの中心の食生活になっていまうことがおわかりになると思います。
でも自分は入れ歯だからと諦めることはありません。入れ歯を作ってもらい、噛めるように調整してもらえばかなりの種類の食品を咀嚼できるようにばります。入れ歯のことで悩んでいらっしゃるのはあなただけではありません。噛めるまで調整に十数回かかることだってあります。でもご自分にぴったり合う入れ歯は必ずあります。諦めてはいけません。 |
「老人保健法に基づく歯の健康教育、歯の健康相談の担当者となったら」榊原悠紀田朗 編集より
固い食べ物が苦手といって偏食をしていると噛む筋肉が衰え、ますます硬い食品が苦手になります。噛む能力の衰えによる偏食は体の低栄養状態を招きます |
低栄養状態とは?われわれにとって最も重要な栄養はなんでしょう?実はタンパク質なのです。一日あたり必要なタンパク摂取量はお年寄でも若い人でもほぼ同じです。体を作るのに最も必要なタンパク質が少なくなると見た目は痩せてなくても体の栄養がしだいに不足し、体力、病気にたいする抵抗力が失われていきます。低栄養状態になると病気にかかりやすく治りにくくなってしまいます。 |
低栄養状態での入院日数は正常より1.6倍長い
低栄養状態での総医療費は正常より34%多い
というデータもあります。 |
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Aお茶や汁物でむせることがある
嚥下機能(飲み込み能力)が衰えている可能性があります |
飲み込む能力が衰えると食物の一部が気管へと吸い込まれむせやすくなります。このことはお口の最近が肺へ吸引され誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなります。肺炎で亡くなるお年寄りはたいへん多いです。嚥下機能の低下は命さえもおびやかすのです。
またむせることを嫌って水分摂取量が減少するため血液がサラサラしなくなり脳梗塞発生の危険も増加します。
右の図はヒトの飲み込みの仕組みを模式的に示したものです。喉の奥で呼吸のための気管と食物が通る食道に別れています。普段は気管側へつながっており、食べ物を飲み込む時に気管がふたをされて食道へと切り替わります。飲み込む力が衰えるとこの「フタ」が完全に閉じなかったり、「フタ」を閉めるタイミングが遅れて食品の一部が気管へ吸い込まれむせることになってしまいます。
またお口の細菌が肺へ吸い込まれ肺炎を起こしやすく可能性が高まります。
嚥下能力を調べるRSSTという試験があります。また嚥下能力を高める嚥下体操というのがあります。これらについては後ほどご紹介する予定です。
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札幌歯科医師会口腔医療センター製作DVD「口腔機能は元気のもと」より |
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B口の渇きが気になる
唾液分泌能力が衰えている可能性があります |
お口が渇くようになると入れ歯が痛くて装着しにくい、免疫力が低下する、ウ蝕(虫歯)や歯周病が進行しやすい、食物を嚥下しにくいなどさまざまな問題につながります。
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唾液には次ような役割があります。
○咀嚼時の食べ物との潤滑作用
○ウィルス、細菌からの感染予防
○清掃、自浄作用
○義歯の安定、床下粘膜の保護
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それではこれらの問題を解決するにはどうすればいいでしょう。そこで口腔機能向上です。口腔機能向上とはこれらお口の問題に積極的に向き合い解決していくことなのです。これら3つの問題はそれぞれ影響しあいながら問題を深刻化させていきます。例えば唾液が少なくなると飲み込みが悪くなり、虫歯が進行してよく噛めなくなってしまいます。その結果栄養が不足し、免疫力が低下して病気に罹りやすくなるのです。また噛みしめる力が弱くなり、咀嚼の回数が減ると唾液の量も減少します。。ここで言う栄養とはタンパク質のことです。1日に必要なタンパク質摂取量は高齢者でも子供でも同じです。
これら3つの問題に対する詳しい対策は新たにお知らせする予定です。でもその前に重要なことがあります。この3つの問題を深刻化させている最も大きな原因はお口の汚れです。お口の汚れ、それは細菌のかたまりです。お口を清潔にすることはお口の3つの問題の進行を大幅に遅らせることができるのです。
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C歯の汚れ、舌の汚れ、入れ歯の汚れ、これらは細菌のかたまり!
この細菌のかたまりをバイオフィルムといいます。 |
再これ
これらの汚れ、バイオフィルムはたくさんの細菌が糖タンパク質のバリアーで自らをガードしている状態です。このバリアーのために薬液、抗生剤がきかず、取り除くことは現在のところ不可能です。でも歯ブラシで取り除くことができます。歯科医院で「歯ブラシ、歯ブラシ!」と言われるのはこのせいなのです。
口腔機能向上お知らせしたいことがたくさんあります。また追加してまいります。
札幌歯科医師会口腔医療センターでは口腔機能向上の仕組みと方法をわかりわすくまとめた健口チェックリスト表とDVDを作成しました。興味のある方は口腔医療センタホームページをご覧ください。
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